2010年1月7日木曜日

Part IV:単勝市場の効率性とF-Lバイアス

株式市場の効率性の検証と同じ手法で競馬市場の効率性の検証が可能である。ほとんどの研究者は単勝馬券市場に集中し、単勝馬券の得票率が真の勝率の正確な評価になっているかどうかを研究した。もしそうなら、競馬ファンが期待リターンを最大化するという仮定と一致する。
Griffith(1949)やMcGlothlin(1956)らが単勝市場を解析し、人気馬(Favorite)のオッズが勝率を過小評価し、不人気馬(Longshot)のオッズが勝率を過大評価するというF-Lバイアスを見出した。そうしたバイアスはリスク選好の仮定と一致する。

Snyder(1978)はWeak Form Test(オッズの知識をもとに平均リターンを超えられるか)とStrong Form Test(予想記者のような特別なグループが他の人々よりうわまわるか)を行った。彼のStrong Form TestはSemi-Strong Form Testと考えたほうがいいかも知れない。なぜなら、個人的に得られた情報ではなく出版された専門家の予想をもとにしたリターンと関係があるからである。Weak-Formの効率性は検証された。たしかに、F-Lバイアスは存在するが主催者の取り分を上回るほどではないからである。(Semi-)Strong Formに関しては、公式または非公式の予想記者によるバイアスは一般人によるものより大きい。

Figlewski(1979)は多項ロジットモデルで勝率と予想記者と最終オッズを関係付けた。予想記者の助言はかなりの情報を含んでいるがオッズがほぼ全てを割り引いてしまう。しかし、場外投票の場合は予想記者の主観的情報を完全には割り引いていない。Losey and Talbott(1980)はSynder(1978)のデータを解析し、予想記者を信じている競馬ファンは平均的リターンを得られないばかりかそれ以下であるとした。

Asch,Malkiel and Quandt(1982)は人気でのF-Lバイアスに加え、予想オッズより最終オッズのほうが勝率を評価するのに正確であると指摘。それは驚くべきことではない。なぜなら、オッズは大多数の人々のコンセンサスなのに対し、予想オッズは数名の予想記者が発表したもので、レースのスタートよりかなり以前だからである。

F-Lバイアスは弱くて現実的なリターンを生まないかもしれないが、その存在は説明する価値がある。合理的な投票者にもとづく2つのアプローチはリスク選好の競馬ファンの存在にもとづくものと確率に関する評価の分散を考慮するものである。

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