2010年1月7日木曜日

Part V:複勝馬券(place,show)市場の効率性

競馬研究のほとんどは単勝市場に関するものであり、一般的な結論はF-Lバイアスは存在
するが、正のリターンを与えるほどではなく、弱い意味で効率的な市場です。複勝馬券市場での非効率性はGriffith(1961)により報告された。いくつかの説明がある。1)規模が小さい、2)着順により様々な払い戻しがあり単勝より複雑なの、3)単勝のF-Lバイアスのため。

Hausch, Ziemba and Rubinstein(1981)は複勝での非効率性を見つけようとした。最終オッズでHarvilleモデルを適用し2,3着の確率を計算し、期待リターンを計算した。結果10%のオーダーのリターンを示した。Ritter(1994)は単勝得票率と複勝得票率を比較し、差が十分大きいときに賭けるというルールを試した。最終オッズを用いた場合は正の利益を得たが、1分30秒前のオッズだとうまくいかなかった。

Hausch and Ziemba(1990)は超人気馬が存在する場合の裁定取引を考え、鉄板(LOCK)が存在する場合に保障されたリターンを最大化するようにした。